ゴルフボールのテスト条件変更は2028年から

2023年12月6日にR&AとUSGAから、新たなボールのテスト条件変更について発表された。公認球のテスト条件を変更することで、飛距離がやや減るという内容で2028年から適用。レクリエーショナルゴルフは2030年1月からとなる。

https://www.alba.co.jp/articles/category/tour/pga/post/lj5kanyvgih/
※ALBANetの記事

同時にJGA(日本ゴルフ協会)にも掲載されている。

http://www.jga.or.jp/jga/jsp/rules/news_detail_22717.html
※JGAの発表

変更の理由は、今後飛距離の伸びに対してゴルフ場の対応などを考慮した場合、持続性が難しくなると判断したからだ。例えば、意図的に作られたハザードが意味をなくしコース改修を余儀なくされたり(ゴルフ場の負担増)、プレーなどの進行にも影響を及ぼしかねないからだ。

ではどこが変わったののだろうか。

現在ボール規則には、大きく6つの項目がある。(ゴルフ用具規則)

1.通則(ゴルフボールの構造)
2.重さ
3.大きさ
4.球体としての対称性
5.初速
6.標準総合距離

https://sports.dunlop.co.jp/golf/contents/function/ball.html

※ダンロップのゴルフボールの規格についての説明

今回の発表は、項目6の『標準総合距離のテスト条件を変える』ということだ。

項目現行条件改定後の条件
クラブヘッド速度120mph(53.3m/s)125mph(55.6m/s)
スピン量2,530rpm2,220rpm
打ちだし角10°11°
標準総合距離(変更なし)317ヤード317ヤード
2023年12月6日発表のテスト条件と現行条件の比較

発表によると、これによる影響は、ロンゲストヒッターは13~15ヤード減。平均的な男子プロは9~11ヤード減。女子プロは5~7ヤード減。私たち一般ゴルファーは5ヤード以下と軽微な変更を想定しているようだ。USGAに図が記載されていました。

正直、ルール変更は一般ゴルファーにとっては、思ったほど大きなものではないと思われる。

このテスト条件の変更が適用されるのが、プロで5年後、アマチュアは7年後。ボールの飛びすぎでゴルフ場の持続性が心配ということだが、その時に日本ゴルフ界がどうなっているかの方が、今は心配です。

【図で検証】カート道路上にあるボールの救済

2023年の9月に開催された『住友生命Vitalityレディス東海クラシック』にて、馬場咲希選手(当時アマチュア)が、「動かせない障害物からの救済」の処置ミスでペナルティを受けた。完全な救済のニアレスポイントを決める際に使ったクラブが違っていて、決定したニアレスポイントが間違っていた為(カート道路の逆側に基点を作ってしまった)、誤所からのプレーで2罰打が課せられた(2ホールで行い、2罰打×2ホール=計4罰打)。

ゴルフダイジェストのWeb記事(2023/09/17) 
https://news.golfdigest.co.jp/news/jlpga/article/160596/1/

このニュースを聞いて、『使用するクラブが違って、2回も逆側にニアレスポイント取れるのか?』と少し疑問に思い調べてみることに。またカート道からの救済について聞かれることも多いので(誤って理解している人もいるので)、ゴルフ規則片手に改めて図を作って整理してみた。

■カート道からの救済方法 (ゴルフ規則16.1 異常なコース状態からの救済 P143)

プレーヤーのボールが、カート道路上に触れていたり上にある場合、またはスタンス区域や意図するスイング区域の物理的な障害となる場合、罰無しの救済を受けることができるとある。
カート道路の救済は、少しゴルフをしていればよく遭遇することなので、知っている方も多い。

ではどこへ救済することが認められるのか?
まずは救済エリアを決めるための基点を決める。基点は完全な救済のニヤレストポイント。そして救済エリアのサイズは、基点から1クラブレングス(パターを除く一番長いクラブ)※但し、ホールに近づかず、カート道路からの完全な救済でなければならない。※以下の図(図16.1a)参照

JGAのホームページ掲載 ゴルフ規則より

この辺りであいまいになりやすいのが、完全な救済のニヤレストポイントと1クラブレングスという言葉の意味。この言葉の定義はゴルフ規則に記載されています。

■クラブレングス(ゴルフ規則 Ⅹ定義 P226)

ラウンド中にプレーヤーが持っている14本(またはそれ以下)のクラブのうち、パター以外で最も長いクラブの長さ。ティーイングエリアや救済エリアを決める時に使用する。
大体のプレーヤーはドライバーになるのでしょうね。

■完全な救済のニヤレストポイント (ゴルフ規則 Ⅹ定義 P224)

この定義には『この基点を推定する時には、プレーヤーはそのストロークで使用していたであろうクラブの選択、スタンス、スイング、プレーの線を特定する必要がある』とある。
したがって、残り距離に対してカート道路が無ければ使っていただろうクラブを選択して、スタンスやスイングの邪魔にならない場所(完全な救済のニヤレストポイント)を決める必要がある。

ニュースなどからすると、ペナルティとなったのは14番と15番ホール。ニヤレストポイントを決める際、14番ホールでは7番アイアンを使用する状況だったのにドライバーを使い、また15番ホールも残り30Yの地点でドライバーを使ってしまったため、誤った場所を基点としてしまった。どちらも、正しいクラブを使っていれば、カート道路の左側ではなく、右側が救済エリアになっていたとのこと。

おそらく馬場選手は、救済エリアのサイズを決める1クラブレングスのクラブ(パター以外の一番長いクラブ)と、基点を決める時のクラブ(カート道路がなければ使用していたであろうクラブ)を勘違いしていたものと考えられる。

しかし、使用するクラブが変わるとニヤレストポイントが変わるのだろうか?と当初の疑問がまだ残っている。ということで、新たに後方から見た図を作ったので、ケース別にニヤレストポイントがカート道路の右側なのか左側なのか、確認してみよう。

<前提条件>
・私のアドレズ時の【かかと~クラブ先端(1Wで125㎝、PWで85㎝)】サイズを参考に図を作成しています。
・カート道路も不明なのでちょっと広めの200㎝。
・クラブヘッドの中心からトゥ側までも5㎝で固定。
・移動する数値は障害物ピッタリで算出しています(実際はストロークに支障がない場所まで、もう少し離れます)

■ケース1

私がPW(ピッチングウェッジ)を使う距離(120Y程度)で、カート道の中心にボールが止まっていた場合の対応。
図のように、左側の方が近いので基点(ニヤレストポイント)となる。

■ケース2

私がPWを使う距離で、カート道の右側から道幅の1/4(50㎝)にボールが止まっていた場合。
図のように、右側が近いのでニヤレストポイントになる。

ケース3

ドライバー(1W)が使える残り距離で、ケース2と同様カート道の右側から道幅の1/4(50㎝)にボールが止まっていた場合。
左側が近いのでニヤレスポイントになる。

つまり、ケース2・3のようなカート道路の位置に止まっている場合は、使うクラブによってニヤレストポイントが右と左で入れ替わってしまう場合があるのだ。(どっちか迷うこともありますが、プライベートラウンドではプレー進行も考慮し、上記の判断基準で大体の見た目で判断することになるでしょう)

さて、使用するクラブが変わるとニヤレストポイントが変わってしまうことがある、ということは分かったが、実際はどうだったんだろうか?
カート道路の救済を受ける際、ボールはカート道路の端でとまっていることが多い。先の図の200㎝幅の道路なら、右左の判断に迷うことはないはずなのだが。(いくらクラブが違っても、右端なら右、左端なら左になるはず)


『住友生命Vitalityレディス東海クラシック』を開催していた新南愛知カントリークラブ美浜コースを調べてみると、どうやら電磁誘導カートを採用しているコースのようだ。

新南愛知カントリークラブ美浜コース 15番ホール 赤丸印あたりの救済だったのかも

この画像を見る限りカート道路は、2本タイヤ幅だけが設置されていて、道幅も狭い(自動運転なのでギリギリで施工している)。秋田カントリー倶楽部さんがこのタイプ。全幅でもおそらく130㎝~150㎝程度。馬場選手のボールが外側(右側)の道路に止まっていた場合、馬場選手の身長(175㎝と私よりも高い)と手の長さからして、ドライバーを使用して基点を決めると、内側(左側)になる場合もありえるだろう。(あくまで推定ですが)

と、長々書きましたが、ここまできてようやくニュースに対する疑問もスッキリ(勝手に)。
プライベートのラウンドで、詳細を求められることは無いと思いますが、ニヤレストポイントの決め方によってはライが全然違うことがあります。しっかり覚えて、堂々と有効に救済を受けましょう

ZOZO CHAMPIONSHIP 2023 観戦してきました

日本で唯一開催されるPGAツアー『ZOZO チャンピオンシップ2023』の初日を観戦してきました。2019年の初回開催以来の観戦なので今回2回目。やはり、PGAツアープロや日本男子プロたちのプレーは、TVやインターネット配信を見ているのと違い迫力満点。さらに、大会を盛り上げてくれるイベント設営により、会場の雰囲気も良く楽しむことができました。

いまだに目に焼き付いているのは、男子プロたちの弾道。
普段の自分や仲間たちの弾道の頂点部分から、2段、3段とさらに真っすぐ伸びていく感じで、見ているだけでスカッとします。どこまで飛んでいくんだー。

ただし観戦する際、気になったところなどもあり、次回の参考になるよう、今回の大会の様子(運営)を2019年大会と比べながら振り返っておきたいと思います。

■チケット代

チケットにはいろいろな種類があります。1DAYチケット、フロントローシート、エキサイティングゾーン、スタンドシート、その他にバス送迎付きや、オリジナルグッズ付など。

それぞれによって価格は違いますが、1DAYチケットは10,000円~14,000円(ZOZO公式ページのZOZOTOWN会員向け。※早期購入はもう少し安いはず ※ローチケなどの場合は、もっと高い)。私はギリギリに観戦を決めたので、公式ページから1DAYチケットを10,000円で購入(+システム料220円)。高額なのでは?という声も聞いたことありますが、私としては妥当かなと。

2019年時は1日2万人のギャラリーで人垣ができ、フロントローなどのチケットを買った方がばっちり観戦できたが、今年は約5,000人(初日)。1DAYチケットで十分。スタンドもガラガラだったので、見た目には寂しい感じでしたね。

ZOZOCHAMPIONSHIP 公式ページ掲載のガイドマップ

■アクセス

会場へのアクセスはあまり良いとは言えない。意外と大変で、駐車場などが早めに完売する理由が良くわかります。

習志野カントリークラブ。観戦するためには、『千葉ニュータウン中央』または『印西牧の原』から向かうことになる。

千葉ニュータウン中央からはバスが運行されている。Webなどの案内では【優先者用バス】と掲載されていて、お体の不自由な方、お年寄りの方などを優先。さらに一般の方も利用可能とのこと。その文言からすると、ギャラリーは使えないのかな?と思いながら向かったのだが、結果は問題なく利用できました。おそらく、近隣の方々への配慮から、そういう文言での案内になっているのだろうが・・・わかり難い。たしかに、2019年時は早朝でも大行列ができて、バスが来ない!と不満がでていたのを覚えています。

バスの到着先は、ゴルフ場から少しはなれていて、会場まではそこから徒歩で約15分(約1㎞)。駅から約45分(3.5㎞)歩くことを考えれば近いけど、意外と歩くことになる。

印西牧の原駅からもChampionsGATE(ゴルフ場裏口)までは約20分(1.5㎞)歩くことになる。さらにそこから、スタートホールまでは約10分(1㎞)は歩く。ただしNO3グリーン、No4Teeそばのゲートの為、そこから見始めるならオススメです。そして、ChampionsGATEにはオフィシャルストアもあり、買い物もできる。ZOZOGATEのオフィシャルストアよりも規模はやや小さいが、商品はそれなりにありそうでしたよ。

WEBでは混雑を避けて徒歩来場をお願いしているが、どちらの駅から向かうにせよ、早朝からまぁまぁ距離を歩くことになるので、ゴルフ大好きファン以外にはハードルが高そうだ。

引き続き、気付いたところを追記していきますが、時間がなくなり一回休止(笑)

■朝のタイムスケジュール

開場やスタートなどのタイムスケジュールは、個人的にはGOOD!

駅からバスの始発:6:00
ゲートオープン:6:30※同時にオフィシャルストアもオープン
入場オープン:7:00
トップスタート(初日・二日目):8:45 ※最終日は8:15

私の初日のプランは、朝の練習場を見て、スタートホールを見たら、選手について歩くことだった(2019年はあまり動かなかったので、習志野CCを見たかった)。初日のスタートが8時45分だとすると、選手が練習場に来るのは7時30分過ぎ。入場後も時間があり、到着後ゆっくりMAPをみたり、ペアリング表をみたりとする時間があり、早朝のゴルフ場で今日一日をどう観戦するかを想像している・・・なかなか贅沢な時間でした(笑)

zozochampionship2023 まだ誰もいない初日の練習場

40分ぐらい早いスタート選手の練習を見た後に、スタートホールへ。ミヤギテレビ杯では朝はバタバタなのだが、なかなかゆっくりすごせました。

■オフィシャルストア

大会グッズはコラボ商品などを販売。キャップやタオル、ピンフラッグなども販売。皆さんここで購入した商品に、選手のサインなんかをもらってましたね。
今回私は、ゲートオープン直後~入場オープンの間に買い物を終了(1日持ち歩くのは辛いが)。2019年時は昼ぐらいに買い物にいったら、店内がめちゃくちゃ混雑していて、会計するまでに30分以上も並んだ記憶があったからだ。でも今年はそこまで混雑しなかったかも。
ストアも複数個所設営されていたというのもあるが、オフィシャルストアの規模も小さかった。さらに会計に並ぶエリアも小さい。想像だが2021年以降の状況を考慮し、運営側がそこまで混まないと判断し、ショップサイズを縮小しているのかもしれない。

■持ち物検査

金属探知機によるセキュリティーチェックがあった。
飛行機に乗るときのように、金属物をすべて小皿にいれて、探知機をくぐり、なにも無ければ受け取って入場。その際、折り畳みのイスと双眼鏡には、チェック済みのタグがつけられた。

セキュリティーチェックでつけられたタグ

WEBでは、持ち込むバッグに関して、小さいバッグ(15㎝×15㎝)が推奨されていた。それ以外を持って行っても、会場内には入れそうだが、入場までに時間がかかる可能性がある旨が記載されている。
そんなところで時間かかりたくないなと、私は駅のロッカーに荷物をぶち込んで、ポケットにスマホとサイフ、双眼鏡を首から下げ、袋から出した折り畳みイスを片手に向かったのだが・・・・

実際は、リュックサック等の規定サイズ以上のバッグを持ってきている人が多数。さらに、セキュリティーチェックもリュックを持っていようが、手ぶらで行こうが一緒(手ぶらだからの優遇されることはない)。係りの人にバッグの中をチェックされる以外は、入場時間はそんなに変わらない。無理して手ぶらで行く必要もなかったかも。

■動画撮影OK 写真は限定箇所でOK

みんな動画取りまくってましたね(笑)。私はあまりとらなかったんですが、選手のスイングとか、しっかり撮影してましたよ。プレー後は選手との記念撮影。ギャラリーとしてはうれしいですよね。ファンも拡大。

現在は、SNSでの発信って宣伝効果とし大きい。来場していない友人知人と後日話題に上がることにもなるだろう。心配される撮影マナーも、私が見る限りはプレーに影響するような撮影ななかったと思う。日本ツアーでも解禁してほしいところだ。

■イスは持参したほうがいいのですが・・・

ZOZOに限らず、トーナメント会場では座るイスなどは少ない。
ZOZOの場合は、1ホールつぶして広大なフードエリアがありますが、意外とテーブル・椅子は少なめ。芝生の上に座って食事すれば問題ないのだが、そのような人はあまり見かけなかった。それよりも、折り畳みイス持参の人は少なかったようにも感じる。電車などでの来場のため、手持ちを増やしたくなかったのだろうか?選手の追っかけをするのなら持ち歩くのも邪魔なので、必要ないかもしれない。

ただ、私は背もたれ付きの折り畳みイスを持っていきました。確かに行き帰りの荷物にはなりましたが、所々でイスを出し、休憩しながら1日観戦することができました。(朝6時30分~16時までの約10時間)しかも、途中でイスに座って30分ぐらいは寝ましたね(笑)

PGAのSNSでは人垣の後ろから、折り畳み台の上に上がって観戦する姿も紹介され、話題になっていました。

手ぶらなのか、折り畳みイスなのか、上から見ることができる折り畳み台なのか、それとも杖代わりになる一脚イスなのか。いずれにせよ、長丁場の観戦をどう楽しくすごくか、観戦プランに合わせて持参グッズも検討するといいと思います。

■習志野カントリークラブ

コースの状態は良かったですね。グリーンは少し柔らか目?でしたが、スピードも出ていたようです。ピン位置もエグイところに切られていて、これがPGAのセッティングなのか~と興味津々観戦してきました。

今回色々なホールを見て回ったんですが、結構アップダウンもあり、フェアウェイにも傾斜があり、グリーンも大きなうねりありと、戦略性の高いコースです。プロのティーショットの落ち際が大体見えないところ(アンジュレーションの影や、バンカーの奥側など)で、コースしっかり把握していない、フェアウェイをキープすることができない。

ラフはそれほど深くなかったようにみえたが、全体的に難易度の高い、非常にタフなコースなことは間違いない。

■来場者数

来場者数は何人ぐらいだったのだろう。
初日の私の感覚では約5000人程度。最終日は中継を見ている限り1万人程度。2019年は1日2万人前後が来場していたから、今年の来場者数はちょっと物足りないのではないだろうか。
初日は、松山、リッキーファウラーの組には結構たくさんギャラリーが付いたようですが、それ以外はあまり混みあうこともなく、観戦することができる状態。

選手が良く見れるという点ではいいんですが、せっかくなのでもっとたくさんの人に観戦してほしいと思います。

以上、長々と書きましたが、まとめると
●PGAツアープロ、日本男子プロ、迫力満点。
●大会を盛り上げる設営もいい!ZOZOさんありがとう!
●来場者数、もっと増えてほしい
遠方からの観戦は気軽に行けるもんじゃありませんが、また機会を見つけて観戦したいと思わせてくれる大会でした。コリン 優勝おめでとう!(最後のスピーチにもグッときました)

ゴルフ用GPS距離計を買いました

※ゴルフなび2023秋号の編集長コラムです

近年、プレー時にコース情報の取得手段として、GPS距離計を使用する人が増えている。私は今まで表示距離を疑っていたが、昔の製品より精度が良くなっていると聞き、購入することに。選んだ製品はGarminの『Approach S70』(価格99,800円)。
最近の製品には便利機能が沢山あり、どれを選ぶか悩ましいが、その中で注目した基本ポイントが3つある。

①どのタイプにする?
コースレイアウト表示型、ウォッチ型、音声型など色々あるが、かっこいい腕時計型(個人の感想です)が欲しかった。小さい画面での操作性や、スイングの邪魔になるのでは?と色々心配だったので、事前に普段使用しているスマートウォッチをつけてプレーしてみる。操作性に関しては…受け入れ(^^;)、またスイングへの影響も感じなかったので、希望通り腕時計型を選択。ただし、プレー後日焼けのあとが残るのでご注意を(笑)

②位置精度は?
私の中で一番重要視している項目。しかし位置精度を仕様に記載していないメーカーが多く比較できない。そんな中注目したのは、測位衛星『みちびき』の受信信号で『サブメーター級測位補強信号(L1S)』への対応の有無だ。これに対応すると技術的には誤差1m以下の測位が可能となる。さらに、S70にはマルチバンドGNSSという精度アップ機能も追加されていたので期待大。

購入後、近所の広い所に行き、ポイント間が測定できる『ショット計測』機能を使ってその実力を確認してみた。まず基準ポイントをニコンのレーザー測定器(精度±0.75yd)を使って50yd毎に300ydまでを測定し、その各ポイントをS70にて確認する(3往復)。結果は±2yd以内。この精度であれば十分だ。※実際は環境やコースマップなどの誤差も加わるだろうが、機器の実力としては問題なし。

③画面のみやすさは?
表示画面のわかりやすさも重要な要素で、Webの評価記事や動画をチェック。S70には有機ELディスプレイが搭載されているが、購入後、炎天下のゴルフ場でも十分見えた。また旧モデルよりもイラストが精細になり、コース全体をイメージしやすくGOOD!

予算オーバーだったが、良い買い物ができたとウキウキだった私。しかし、ゴルフなびでは現在ヤーデージブックを制作販売している。ライバル?大丈夫なの?とご心配の声も。

GPS距離計は、その機器の精度を許せるなら、計算や歩測することなく残り距離がすぐにわかる優れもの。速やかなプレーにもつながるだろう。ただヤーデージブック(2021年以降に販売したもの)は、GPS機器にはない情報も含んでいるので、私のおすすめは、両アイテムを併用する『二刀流』です!  

ミヤギテレビ杯ダンロップ女子OP2023観戦

2023年のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープントーナメントが開催されています。

今年は、久々の人数制限なしでの開催で、初日の午後と2日目午前中の観戦してきました。初日は2789人。2日目は5,775人。盛り上がりました。観戦を楽しみつつ、以前と異なっていると気づいたところを記載してみます。


以前、観戦の参考にと書いたブログはコチラから

以前と異なっている所

■シャトルバスは観光バス
コロナ前は路線バスにて運行していましたが、今年は観光バス(全座席に着席)にて運行されていました。ただし、早朝等の混雑時は一部路線バスが出る・・・かも?(バス会社スタッフさんより)。実際は乗車していないので不明。

■パンフレットはなくなり、ペアリング表の裏面に
入場時に配布される資料は、コロナ感染拡大防止による、制限ありでの開催時と同様に、ペアリングシートの裏面にコースレイアウトが記載されているものとなりました。
以前はしっかりとしたカラーのパンフレットがありましたが、廃止されていました。

■50回記念大会のカジノマーカーがもらえます
今回で50回の記念大会。
記念に全員にカジノマーカーがもらえました。

■特別観戦エリアはない
コロナ前はイス持参による特別観戦エリアが設けられていたが、コロナ後は無し。そして今年もなし。

■ギャラプラ以外の飲食コーナーはなし
コロナ前は、ギャラプラ以外に数か所飲食エリアがあったが、なくなりました。

■インターネット中継はGOOD
テレビ中継の時間も増え、LIVE中継も多くなっているが、やはりインターネット配信があるのはうれしい。なぜなら、コース内でもチェックできるからだ。
インターネット配信はLIVE中継。注目の組は、常にテレビカメラが追いかっけているので、コースを移動しなくても状況チェックができる。つまり、定点観戦派の人は、目の前のプレーとインターネット配信で注目組を同時に観戦できる。

2019年(左)と2023年(右)の放送配信比較

■フォトスポットがある?(詳細未確認)
帰宅後気づいたのだが・・・・(^^;)
入口そばのエリアがフォトスポットとして設定されている。おそらく、このエリアだけ写真撮影が許されているのではないだろうか?今までは場内撮影禁止だったため、観戦行ってきましたーの画像は寂しいものだったのだが、もし撮影できるなら、18番グリーンや練習グリーンを背景に撮影ができそうだ。実際の『フォトスポット』の使い方を聞いてこなかったので、これから行く方が、係りの人に確認しながら使用してみてください。

1日目の午後と二日目の午前中に観戦し、特に印象に残ったことが二つ。

★一つ目は選手たちの練習量
1日目のラウンド終了後、練習場に行ってみると、所狭しと選手たちが練習している。17時となり少し暗くなりかけてきたので、帰ろうと出口に向かうと、練習グリーンにもたくさんの選手たちが。こんなに練習するんだから、ここ数年女子プロのレベルも上がってきたと言われるのもうなずける。
1ラウンドすると、体のあちこちが痛くなって、3日ぐらいは調子が悪いおじさん(俺)とはわけが違う。あらためて、すごい世界だなー。

★ベテラン?の落ち着き
若い選手は、ショットの不調も態度に出るし、ギャラリーとのコミュニケーションが上手じゃないようにも感じることが多い。
しかし、勝みなみ選手や、畑岡奈紗選手などについて回ったんですが、ギャラリーの多さや自分の悪いショットにも動じない落ち着きっぷりに関心。
以前観戦したときも、40歳前後のベテラン勢(表純子プロや福島浩子プロ)の落ち着いた振る舞いに感心したものだが、彼女たちはまだ20代・・・ですよね(^^;)。世界という舞台で戦っているからなのだろうか?プロのオーラがあってすごく印象にのこりました。

明日の最終日は仕事をしますが・・・・インターネット中継で観戦もします(笑)

ゴルフなびヤーデージブック【サイズ制限越え】経緯と対応 Part 3

2023年4月。ゴルフなびヤーデージブックの一部商品が、ルール不適合と指摘を受けました。今回その経緯や内容について、今後の記録として残すため、その後の対応等を3回にわたってまとめているPart3です。

Part1はコチラから
https://age-sht.net/archives/7539

Part2はコチラから
https://age-sht.net/archives/7552

現状の解釈内ではNGだが、R&A用具審査に正式な審査をお願いしてみてもいいかもしれない。(あらたな解釈がされるかも)と考え、秋田CCの製品に関しては『R&A用具審査』に提出してみることにしたのは4月下旬でした。

R&A用具審査の書類準備

R&Aへの用具審査手続きに関しては、JGAのホームページに丁寧に記載されている。http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/info_03.html

分類としては大きくクラブとその他(ティー、グリップ、手袋、電子機器など)に分かれている。ドライバーなどのクラブに関するルール適合などの審査も、この申請で行われているようだ。

今回はヤーデージブックなのでその他の分類で申請。申請費用は65ポンド(申請時で日本円で約11,000円)。英語力の無い私は、Deep-Lを駆使しながら申請書などの書類を作成し、発送準備が完了。

イギリスへの荷物発送

そもそも海外に荷物ってどうやって送るの?からスタートした私(汗)。
郵便局にはEMS(国際スピード郵便)というサービスがあり、これで発送できることを知る。へ~。便利な世の中だなーと感心する。

Webフォームから入力できるので、いろいろ記載する必要はあるが、日本郵便のWebページに細かく解説されているので(解説動画もある)、時間はかかったが何とか完了。窓口に行き支払いをすませて発送完了(送料 3,150円)。到着までの標準日数は3日。問い合わせ番号を見ながら到着をチェックしていると・・・・ここでトラブル発生!

保管・・・(汗)

イギリスに到着したまでは良かったが、そこで荷物が保管され動かなくなる。Webで調べるとEMSはイギリスに到着するとPercel Froceにて配達される。そこでPercel Forceのサイトで番号を問い合わせしてみると【Address problem】と書かれている。ガーン(^^;)

何が間違ったのか・・・

もう一度確認してみたが、住所は間違っていない・・・が・・・あれ? Postcodeが空欄になっている。これか?

ということで、住所の番地と勘違い(イギリスは数字だけじゃないのかよー)していて、PostCodeを空欄のまま発送。住所不定で荷物が保管されたようです。

何とか修正できないか、Percel Forceに問い合わせしてみたが・・・
【住所の訂正はできません。発送元の国の郵便局で必要な修正を依頼する機能があります】とメールで回答が。

では郵便局に問い合わせしたところ
【国際交換局前なら可能だが、それ以降の変更はできない。待つしかないですね】とのこと。

再発送

Webの投稿などをみると、そのまま日本に返品されることもあるようなので、再度発送することに。

書類はPCで作ったので、一部校正しながら作成。EMSの入力も2回目なので順調に。住所の入力だけは間違えないように。よく見るとPostCode以外にも、色々抜けていたところも入力。

これで、発送したところ約1週間で無事到着しました。ちなみに、保管されてしまった荷物は、なんと1週間後に動き出し・・・無事?到着してしまったようです(遅いんだよー)。住所不明ではあったが、おそらくその後手作業にて確認したのか?配達されたようです。→R&Aにその旨を連絡し、2重請求されないようお願い。

1回目発送の追跡記録
2回目発送の追跡記録

その後、R&Aから荷物受取、審査受付と28日以内に結果がでますと連絡が入りました。

審査受付から28日後・・・

受付から28日後の6月上旬、一通のメールが入りました。

この審査はゴルフ規則チームとの話し合いが必要で、時間がかかっています。決定次第連絡する (R&A 担当者)

日程を区切ることなく、延長戦の連絡でした。ただ、規則チームと話し合いをしているということは、少なくとも何かの変化を検討しているのでは?と少し期待をしつつ待つことに。

審査受付から2カ月後・・・

R&Aからの連絡は入らず、その間商品の修正や新規作成はSTOP。
北東北のシーズンは半分を過ぎようとしていて、これ以上待つことは難しかったので、R&Aに強めに?催促してみることに。

メール後土日を挟んだ週明けに1通のメールが届きました。

ルール不適合です・・・しかし

メールに書類が添付されてきました。

正式見解として、見開き2ページのホールマップ(ホールレイアウト図)が違反であると判断されました。

しかし、この書類が送付されてくる前に、事前にメールもいただきました。

(R&Aからのコメント抜粋)
この件について話し合いをしたが、2ページにまで広がったホールレイアウト図は、サイズ制限を越えている。このため、違反であると判断し、競技では使用するべきではない。

しかし、この判定が規則解釈が意図しない結果であることを認め、解釈の見直しをすることにした。ただ、この変更にはUSGAも含め議論と合意が必要なので時間がかかる。見直しの結果、解釈の変更がされた場合には連絡する。

ということで、今後見直しの可能性も示唆してもらった。

現在の解釈では、グリーンの形状をしたものはすべて(ただの丸印であっても)、グリーンのラインを読む援助になるかどうかにかかわらず、このルールの規制の対象になってしまっている。

私も最近老眼がひどく(笑)、自分で作ったヤーデージブックが見えにくい年ごろです。規則とは関係ないものに関しては、制限を外してほしいと思います。

決定後、秋田カントリー倶楽部のヤーデージブックで見開き2ページの図を1ページに変更。8月からようやく無償差し替え及び販売を再開しました。

今回の決定まで、色々お待ち頂いた皆様。ご迷惑をおかけしました。

そして、本来なら4月の不具合が判明した時点で修正を加えるところ、R&Aへの正式申請結果を待つことに了承いただいた秋田CCさま、ありがとうございました。(3ヶ月間の販売機会を損失させてしまいご迷惑おかけしました)

今後もゴルファーの皆さんの役に立つような、より良い製品を制作できるよう努めていきます。そして、このブログがなにかのお役に立つのであれば幸いです。

ゴルフなびヤーデージブック【サイズ制限越え】経緯と対応 Part 2

2023年4月。ゴルフなびヤーデージブックの一部商品が、ルール不適合と指摘を受けました。今回その経緯や内容について、今後の記録として残すため、その後の対応等を3回にわたってまとめているPart2です。

Part1はコチラから
https://age-sht.net/archives/7539

Part 1では、指摘があった内容やその最終判断に関して記載しました。ただし、このルールが普通の調べ方ではわかり難い内容でした。Part2では、このルールをどう理解し判断されていったかについてまとめておきたいと思います。

【ゴルフ規則4.3】

【規則4.3用具の使用】に関する規則があります。さらにその中に【4.3認められる、禁止される用具の使用】があり、距離や情報を得るために使えるものが書かれている。現在は距離計測器なども、使える機器として挙げられている。

この規則が対象のはずなんだが、この中にグリーンリーディングブックに関する記載は見当たらない。その場合は、オフィシャルガイドを確認することとなる。

【オフィシャルガイド規則4.3 詳説】

オフィシャルガイドは各規則の詳説や関連事例の説明、競技運営に関するガイダンスなどが掲載されていて、競技運営者やレフェリーに必携のゴルフ規則専門書です。

5,500円

http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/image/OfficialGuide_forWeb_20230309.pdf

買うと高いが、JGAのホームページで、PDFで無料で公開されているのでありがたい。


2019年の改正時に発表された資料に【新しい解釈を採用】と書かれている。

http://www.jga.or.jp/jga/html/jga_data/04KISOKU_NEWS/2018_KISOKU/GreenReadingMaterial15Oct2018Final.pdf

規則は変えないけど解釈を変えたということだろう。内閣が憲法解釈を変更・・・と同じ・・・ですかね。

そして、オフィシャルガイドの規則4.3詳説を見てみると 【4.3a/1 グリーンリーディング資料の使用についての制限】が記載されている。つまり、ここが2019年1月から追加されたのだ。

その中には細かく記載がされていて
・パッティンググリーンの画像の縮尺は5ヤードに対して3/8インチ(1:480)以下に制限される(【縮尺の制限】)。
・パッティンググリーンマップや画像を含む本やその他の紙は41/4インチ(10.8㎝)×7インチ(17.8㎝)を越えてはならない(【サイズ制限】)

となっている。※詳細はオフィシャルガイドを参照ください。

ただし、記載されている内容だけでは、細かいところまでの判断はしにくく、さらに具体的な補足資料を確認することになる。それが、質疑応答の文書となる。

【グリーンリーディング資料の使用を制限する解釈 4.3a/1に関する質疑応答】とは

こういう文書はまとめて記載されているわけではなく、適時公表されているものです。今回検討時に参考としたものは 2021年12月2日にJGAの用具規則・関連ニュースに投稿された【R&AとUSGAはグリーンリーディング資料の使用をさらに制限するためのローカルルールひな型を導入】にリンクがあった内容です。以下にURLを記載しておきます。

http://www.jga.or.jp/jga/html/jga_data/04KISOKU_NEWS/2021_KISOKU/GreenReadingFAQ(Dec2021)2.pdf

最初の公開はルール改定後の2019年の4月で、2021年12月の改定は、2022年から最も高いレベルの競技ゴルフにて使用されることを想定した、ローカルルールひな形G-11の追記に合わせて改訂されている。

参考までに・・・

2022年1月から採用が可能となった【ローカルルールひな型 G-11:グリーンリーディング資料の使用を制限する】も 2021年12月2日のJGAニュースに掲載されている。その後、オフィシャルガイドのローカルルールひな形に掲載された。

この中に、詳説の内容をさらにQ&A形式で解説がされていて、具体的なイメージが湧きやすい内容となっている。

ということで、まとめると・・・
現状のグリーンリーディング資料における、公式解釈(文書)は以下となる。
・ゴルフ規則
・オフィシャルガイド
・質疑応答文書 などの公式文書(過去資料も含め)

しかし、ここに見開き2ページに記載した場合の判断はない。広げて大きな紙になるものはNG(ピンシートはOK)だったり、見開きになる冊子はOKであることは分かる。しかし、見開きに記載した図に関しては明記されておらず、正しい判断はできそうにない。

このような場合は、ルールに関する上部団体へお伺いを立てるしかない。今回の秋田カントリー倶楽部さんのような場合は、直近に東北女子アマ開催予定だったため、大会主催の東北ゴルフ連盟へ確認。そこで判断ができない場合は、日本ゴルフ協会(JGA)へ問い合わせすることとなった。

【JGAへ規則に関する問い合わせ】

一般の人が問い合わせをする場合は、質問フォーマットがあり、それに沿って問い合わせができるようだ。(jGAのホームページに掲載されています)
ゴルフ場の場合は、連盟の加盟クラブなので、前述の通り東北ゴルフ連盟→JGAと直接確認することになる。

また、以前私もヤーデージブック制作を始める際、関係者からご紹介いただいたこともあり、直接JGAへ問い合わせをすることができた。(おかげで、結論を早く出すことができた)

2023/11/9 追記
【ゴルフ規則の質疑について】という題名で、個人からの質問は受け付けていないと追記されたようです。したがって、競技関係者は競技委員長を通じて問い合わせ(FAXまたは郵送・・・汗)。この告知は競技以外の問い合わせについては明記されていませんが、JGAに問い合わせするのは控えておきましょう。個人的な疑問は、近くの面倒見のいい詳しい方に教えてもらった方が早そうです(笑)。(競技ゴルフに参加すれば、それなりの方々ともお知り合いになれるでしょう)

JGAのゴルフ規則に掲示されていた内容

そこで判断された結果は、Part1で記載の通り『見開きページに記載した図は、見開きページのサイズにて制約がかかるという認識である。』という見解だった。→ルール不適合の図となる。

ここから、一気に商品の変更・修正等の動きをすることに。

またこの時、以下の様なお話もいただきました。
・JGAではこれまでに出ている規則やオフィシャルガイドによる判断しかできず、R&A/USGAにて新しい解釈を示さない限り、この内容は変更できないこと。
・正式な審査をするのであれば、R&A用具審査にヤーデージブックを提出することもできる。
ということでした。

R&A・・・ですか(汗) 

英語できないし・・・・(汗)

でも、ワンチャンあるか?

指摘を受けた秋田CCの場合、グリーンのラインを読む援助にもならないコースレイアウト図がルール不適合と判断されるのは、そもそもルール作成時の趣旨と異なる解釈がされているのではないか?

また、2019年発行時から毎年少しづつ変更が加えられており、まだまだ修正途中の規則なのではないか?

それなら、現状の解釈内ではNGだが、R&A用具審査に正式な審査をお願いしてみてもいいかもしれない。(あらたな解釈がされるかも)と考え、秋田CCの製品に関しては『R&A用具審査』に提出してみることにした。
※他7コースに関しては、状況及び競技日程等の関係もあり、即差し替え対応にしました。

Part3では、『R&A用具審査』に申請し、結果がでるまでの内容をまとめておきます。

ゴルフなびヤーデージブック【サイズ制限越え】経緯と対応 Part 1

ゴルフなびヤーデージブックにおいて、ルール不適合との指摘がありました。今後の記録として残すため、今回その経緯や内容、その後の対応等を3回にわたってまとめてみました。

【ゴルフなびのヤーデージブックとは】

ゴルフなびのヤーデージブックは、コースマネジメントを楽しんでもらうため、2017年から制作スタート(コースガイド)。2021年以降は精度の向上したドローン測量により、競技用としても利用いただけるようになりました。
プロ用との違いは、コース全体を把握しやすいよう全体のレイアウト図および高低差図を記載しているところ。これで、コースガイドのようにTeeからグリーンまでを一気に把握しやすくなります。残り距離表示は少ないのですが、GPS機器やレーザー測定器との併用していただければ問題ない。そして、グリーンの傾斜図もありグリーンリーディング資料としても利用できる一冊です。

【ルール不適合じゃないの?の指摘】

2023年4月から「秋田カントリー倶楽部」のヤーデージブックも販売開始していましたが、2023年6月に日本女子アマが開催されることもあり、JGAの方が来場した際、「ルール不適合では?」と指摘があったようです。日本女子アマ向けというわけではなかったのですが、東北女子アマが5月に開催されるということもあり、選手の方が購入されてもいたようで、急ぎ指摘内容を確認することになりました(4月下旬)。

グリーンリーディング資料において、【サイズ】と【縮尺】が制限されています。【サイズ制限】では、パッティンググリーンマップや画像を含む本や他の紙は10.8㎝×17.8㎝を越えてはならないと制約があります。

従来のゴルフなびヤーデージブックでは、全体図を1ページに記載していた為、画像が小さく見難いとのご意見も。確かに小さいバンカーなどは、わかりずらい。そこで、2023年モデルから図を見開き2ページにわたって表記することで、図を大きくし見やすくしようと改良していました。

しかし、調査確認の結果、1ページがサイズ制限内であっても、冊子を見開きで使用した場合は、『見開きページのサイズで評価する』と判断されました。※図参照のこと

つまり、冊子サイズが【サイズ制限内】(左画像)であっても、見開き2ページに記載した場合は(中画像)、9㎝×33㎝サイズと判断され、サイズ制限を越えていると判断された。

【使用が制限される場面とはいつ?】

秋田カントリー倶楽部のヤーデージブックは【ルール不適合】となったが、では実際に制限される場面とはどんな場面であるか?

グリーンリーディング資料は、2019年のルール大改正時に、パッティングラインを読む支援の為に使用することへの制限が追加された。具体的には次の場合に適用(使用が制限)される。
①パッティンググリーン上でプレーヤーが行うすべてのストローク
②どこからであっても、プレーヤーの意図が球をそのパッティンググリーン上に止めようとしている場合に、パターで行うストローク

※②に関しては2023年のルール改正にて、廃止になりました

したがって、パッティンググリーン以外で使用する場合は対象外である。また、適用外とされた図はレイアウト図のみである。そのレイアウト図にはパッティングライン読むために必要な情報はないため(主にグリーンの外形のみ)、通常ラインを読む支援に使用するのはグリーン詳細図のみだろう。つまり、商品としてはルール不適合の図が記載はされているものの、実際ルール違反となりペナルティを課せられることは、ほぼないともいえた。

【対応は?】

実際にペナルティになる場面は稀ではあるものの、販売する際「ルール適合品です」というわけにはいかず、説明が必要とされる。ただし、この説明は、上記の内容からわかるように、わかり難いし伝えずらい。注意喚起しながら販売することも検討したが、結果、一度販売中止にし対応を検討することとした。(4月末)

【他の製品への波及】

見開き2ページにわたって、ホール全体図を表記しているのは秋田CCだけではあったが、見開き2ページがNGと判断されたため、過去製品にもなかったか確認をしてみた。

すると、全体図ではないものの、グリーン詳細図を見開き2ページに記載している製品が7コース存在していた。

約3㎜程度のはみだしである。
念のためJGAにも確認してみたが、「誤ってはみ出していても、何㎜であっても、2ページに及んで表示している図は2ページサイズで評価する」と判断された(ルール不適合)。

秋田カントリー倶楽部の場合とは異なり、グリーン詳細図がルール不適合と判断されるため、使用上でも支障が出る可能性があり、全商品差し替えできるよう修正することした。

日程が近かった競技に関しては、ゴルフ場および競技の運営側のご協力のもと、緊急差し替え対応等を行いました。ご協力いただいた皆様ありがとうございました。なにより、ギリギリでドタバタしてしまった選手の方々には大変ご迷惑おかけいたしました。心よりお詫び申し上げます。

2019年のルール改正以来、規則等は細かくチェックしていましたが、私の思い違いも含め詰めが甘かったと反省しています。ただし、今回色々と調べたり、JGA担当の方ともやり取りをしましたが、非常にわかり難いところで規定されているルールであると実感。また毎年内容を微調整していることからも、ルールを改良している最中なんだな・・・とも感じた。

Part2では、通常のルール規則を読んでいるだけではわからない今回の規定を、どう理解していくのかについてまとめていきたいと思います。

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