ゴルフなび秋号の編集長コラムです
■プロゴルファーが試合中、コース攻略のために使用しているメモは、ヤーデージブックとグリーンブックの大きく2種類がある。ヤーデージブックは主にグリーンまでの残り距離などを。グリーンブックはグリーンの傾斜などに特化し、より細かく記載されている。
ちなみに、現在販売中のゴルフなびヤーデージブック(2021年モデル以降)は、その2つの商品を足して二で割ったような商品だ。
ゴルフなびにてヤーデージブックを作りはじめたきっかけは、プロがポケットからメモを取り出して、コース戦略を練っている姿が『カッコいい!』という憧れ?の気持ちからだった。
■しかし、2022年から米国男子ツアーではグリーンブックの使用が禁止された(ヤーデージブックはそのまま使用が可能)。
その理由は、『選手とキャディが目と感覚でグリーンを読んでほしい』ということと『遅延プレーになるから』とのこと。
プロゴルファーがラインを読むルーティーン。アマチュアがやると遅延プレーと怒られそうだが、次の1打を盛り上げるための絶妙な間にも思える。そんなハラハラドキドキするの場面で、グリーンブックにかじりついているプロの姿は、エンターテイメント的に『カッコ悪い』というのも理由だったのでは?と個人的には思っている。
■また、情報は時には邪魔なものになる。ある雑誌に現在(8/28時点)、国内男子ゴルフ賞金ランキング1位の比嘉一貴プロへのインタビュー記事が掲載されていた。打つ前に『メモ(事前戦略)』を見るのをやめて、必要な情報だけを確認し、打つことに集中したら、今の結果につながったという。情報も大切だが、必要以上の情報は逆に不要で、プレーの質を高めるためには、狙った場所に打つための『イメージ』や『集中』ができているかどうかなのだろう。
■測量精度、技術の進歩で、プレーヤーに提供できる情報量は今後ますます増えていくことだろう。情報端末の進化も早い。
ただし、それがプレーのノイズになるのであれば意味がない。必要な時に、必要な情報を得られるツールへの進化が必要だ。 なにより使っている姿が『カッコいい』ものであってほしい。 (籠澤)