2022レジャー白書の考察

昨秋(2022年10月31日)、『レジャー白書』が発行された。調査内容は1年遅れのため、最新情報ではないものの、参考となることも多く、時間をみつけて時々確認をしている調査研究提言です。

ちなみに、レジャー白書2022は1冊7700円。
だいぶ高いので(^^;)、いつも図書館に行って拝読&重要部分をコピーしてじっくりチェック。図書館バンザイ!

いつもは『ふーん』で終わっていたので、今回は私が興味深く感じたところをいくつかピックアップしてご紹介してみます。

【レジャー白書の調査の概要】
調査対象:全国15~79歳の男女
有効回答数:3211
調査方法:インターネット調査
調査実施時期:2022年1月~2月
※2021年の実態調査をし、まとめたものが2022年秋に発行されているというものです。

1.ゴルフ人口は560万人
560万人という人口としては、卓球やバトミントン、釣りと同じくらい。2020年との比較では40万人UPですが、2019年比較では20万人減。コロナ禍でのゴルフブームといっても、2019年比で減少しているので、ゴルフ人口がコロナ前に戻ったというわけでもない。
しかも年々ゴルフ人口は減少傾向。2015年は760万人だったので、昨年からは増えているものの、トレンドが変わったとはまだ判断できない。

2015201620172018201920202021
ゴルフ人口(万人)760550670670580520560
ゴルフの参加人数(年に1回でも以上行った人の推計) ※2022レジャー白書より

今回の対象年齢(15~79歳)の人口は9,854万人(2021年1月時点)。
調査結果から割合を算出すると5.7%。つまり20人に1人がゴルファーとなる。
ちなみに・・・北東北では(今回の北東北の地域割り対象は、青森・秋田・岩手・山形の4県)1.8%(^^;)。50人に1人がゴルファー。うーん、少ない(笑)。

2.ゴルファーの年代別構成 60歳以上で約50%
年代別の統計も出ている。60歳以上のゴルファーの割合は約50%。これに50代も加えると約70%。私も含め圧倒的に高年齢者が多い競技です。
バブルでのゴルフブームの影響もあるでしょう。そもそも若者の人口が少ないのも原因の一つでしょう。ただ、個人的な想像ですが、①個人競技であること、②費用がある程度かかること、③みんなでワイワイというよりは静かに楽しむ競技であること、④そこそこの付き合いでも一緒に楽しめる競技であることなどなど。ゴルフを取り囲むいろいろな条件は、若者よりも中高年者がハマりやすい競技なのだと思う。

ゴルフ人口増加の取り組みというと若者をターゲットにする施策が多い。その年代も増えてほしいし、女性のゴルファーも増えてほしい。ただ、そこだけにこだわっていると、コアな層を逃がしてしまわないか?とも感じている。何事もバランスよく・・・。

年代10203040506070
割合(%)2.16.69.611.420.721.727.7
ゴルフ人口に占める年代別の割合 ※2022レジャー白書より

男女別でも算出されているが、女性は年代によってあまり変わらない。なかなか興味深い内容です。(全体の男女比は、全体の約20%が女性)

3.ゴルフ来場者数の増加はコアゴルファーの来場回数がUP
統計の中に年間平均活動回数というものがある。ゴルフをした人の一人当たりの年間活動回数の平均値の統計です。ここ数年は13~15回だったのが、2021年は17回になっている。つまり、ゴルフをしていた人たちが、コロナ禍でゴルフをする回数が増えたということだ。

2015201620172018201920202021
回数(回)14.417.812.814.213.314.917.2
ゴルフ人口に占める年代別の割合 ※2022レジャー白書より

まとめると、中高年が楽しんでいるスポーツで、年々ゴルフ人口は減っている。しかし2021年は長引くコロナの影響で、屋外スポーツという利点から、新規ゴルファーや復活組が増えた。さらに既存ゴルファーたちのプレー回数も増えたため、ゴルフ場がにぎわっていた。というのが、2021年の状況だろう。

レジャー白書の考察には、『2021年には都市近郊のプレー延べ利用者数がバブル期並みの稼働率まで上昇した』とかかれている。さらに『2022年はさらに稼働率が上昇』とも。

北東北のゴルフ場も、都会と稼働率は違えど、同じような状況だったのではないかと思われる。しかし、2022年は稼働率が上昇と予想しているレジャー白書とは違い、徐々に落ち着きをみせている(2021年同等)という感触だ(ただし、ゴルフ場間の差もではじめている)。そんな中、2023年はどうなっていくのか?

2023年2月現在、冬はコロナの感染者は激減し、通常通りの生活に戻りつつある。5月には2類から5類に変更が発表。『学校の卒業式はマスク無し』とも言われ、コロナ前の生活に戻りそうな状況だ。コンペも復活できる条件が整った。

しかし、物価高騰によるゴルフ場への影響が心配だ。昨年夏頃から秋田のゴルフ場ではグリーンフィの値上げや燃料費として追加料金の徴収を始めている。おそらく2023年は各ゴルフ場ともプレー代が上がると予想されるが、ゴルファーの来場回数への影響はないのだろうか?

心配事を含みながらスタートを迎える、コロナ明けの2023年シーズン。今年は例年よりも雪が少ないため、3月早々にはオープンするゴルフ場がありそうだが、果たしてゴルフ業界はどうなるのか?注目です。

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