ゴルフなびヤーデージブック【サイズ制限越え】経緯と対応 Part 2

2023年4月。ゴルフなびヤーデージブックの一部商品が、ルール不適合と指摘を受けました。今回その経緯や内容について、今後の記録として残すため、その後の対応等を3回にわたってまとめているPart2です。

Part1はコチラから
https://age-sht.net/archives/7539

Part 1では、指摘があった内容やその最終判断に関して記載しました。ただし、このルールが普通の調べ方ではわかり難い内容でした。Part2では、このルールをどう理解し判断されていったかについてまとめておきたいと思います。

【ゴルフ規則4.3】

【規則4.3用具の使用】に関する規則があります。さらにその中に【4.3認められる、禁止される用具の使用】があり、距離や情報を得るために使えるものが書かれている。現在は距離計測器なども、使える機器として挙げられている。

この規則が対象のはずなんだが、この中にグリーンリーディングブックに関する記載は見当たらない。その場合は、オフィシャルガイドを確認することとなる。

【オフィシャルガイド規則4.3 詳説】

オフィシャルガイドは各規則の詳説や関連事例の説明、競技運営に関するガイダンスなどが掲載されていて、競技運営者やレフェリーに必携のゴルフ規則専門書です。

5,500円

http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/image/OfficialGuide_forWeb_20230309.pdf

買うと高いが、JGAのホームページで、PDFで無料で公開されているのでありがたい。


2019年の改正時に発表された資料に【新しい解釈を採用】と書かれている。

http://www.jga.or.jp/jga/html/jga_data/04KISOKU_NEWS/2018_KISOKU/GreenReadingMaterial15Oct2018Final.pdf

規則は変えないけど解釈を変えたということだろう。内閣が憲法解釈を変更・・・と同じ・・・ですかね。

そして、オフィシャルガイドの規則4.3詳説を見てみると 【4.3a/1 グリーンリーディング資料の使用についての制限】が記載されている。つまり、ここが2019年1月から追加されたのだ。

その中には細かく記載がされていて
・パッティンググリーンの画像の縮尺は5ヤードに対して3/8インチ(1:480)以下に制限される(【縮尺の制限】)。
・パッティンググリーンマップや画像を含む本やその他の紙は41/4インチ(10.8㎝)×7インチ(17.8㎝)を越えてはならない(【サイズ制限】)

となっている。※詳細はオフィシャルガイドを参照ください。

ただし、記載されている内容だけでは、細かいところまでの判断はしにくく、さらに具体的な補足資料を確認することになる。それが、質疑応答の文書となる。

【グリーンリーディング資料の使用を制限する解釈 4.3a/1に関する質疑応答】とは

こういう文書はまとめて記載されているわけではなく、適時公表されているものです。今回検討時に参考としたものは 2021年12月2日にJGAの用具規則・関連ニュースに投稿された【R&AとUSGAはグリーンリーディング資料の使用をさらに制限するためのローカルルールひな型を導入】にリンクがあった内容です。以下にURLを記載しておきます。

http://www.jga.or.jp/jga/html/jga_data/04KISOKU_NEWS/2021_KISOKU/GreenReadingFAQ(Dec2021)2.pdf

最初の公開はルール改定後の2019年の4月で、2021年12月の改定は、2022年から最も高いレベルの競技ゴルフにて使用されることを想定した、ローカルルールひな形G-11の追記に合わせて改訂されている。

参考までに・・・

2022年1月から採用が可能となった【ローカルルールひな型 G-11:グリーンリーディング資料の使用を制限する】も 2021年12月2日のJGAニュースに掲載されている。その後、オフィシャルガイドのローカルルールひな形に掲載された。

この中に、詳説の内容をさらにQ&A形式で解説がされていて、具体的なイメージが湧きやすい内容となっている。

ということで、まとめると・・・
現状のグリーンリーディング資料における、公式解釈(文書)は以下となる。
・ゴルフ規則
・オフィシャルガイド
・質疑応答文書 などの公式文書(過去資料も含め)

しかし、ここに見開き2ページに記載した場合の判断はない。広げて大きな紙になるものはNG(ピンシートはOK)だったり、見開きになる冊子はOKであることは分かる。しかし、見開きに記載した図に関しては明記されておらず、正しい判断はできそうにない。

このような場合は、ルールに関する上部団体へお伺いを立てるしかない。今回の秋田カントリー倶楽部さんのような場合は、直近に東北女子アマ開催予定だったため、大会主催の東北ゴルフ連盟へ確認。そこで判断ができない場合は、日本ゴルフ協会(JGA)へ問い合わせすることとなった。

【JGAへ規則に関する問い合わせ】

一般の人が問い合わせをする場合は、質問フォーマットがあり、それに沿って問い合わせができるようだ。(jGAのホームページに掲載されています)
ゴルフ場の場合は、連盟の加盟クラブなので、前述の通り東北ゴルフ連盟→JGAと直接確認することになる。

また、以前私もヤーデージブック制作を始める際、関係者からご紹介いただいたこともあり、直接JGAへ問い合わせをすることができた。(おかげで、結論を早く出すことができた)

2023/11/9 追記
【ゴルフ規則の質疑について】という題名で、個人からの質問は受け付けていないと追記されたようです。したがって、競技関係者は競技委員長を通じて問い合わせ(FAXまたは郵送・・・汗)。この告知は競技以外の問い合わせについては明記されていませんが、JGAに問い合わせするのは控えておきましょう。個人的な疑問は、近くの面倒見のいい詳しい方に教えてもらった方が早そうです(笑)。(競技ゴルフに参加すれば、それなりの方々ともお知り合いになれるでしょう)

JGAのゴルフ規則に掲示されていた内容

そこで判断された結果は、Part1で記載の通り『見開きページに記載した図は、見開きページのサイズにて制約がかかるという認識である。』という見解だった。→ルール不適合の図となる。

ここから、一気に商品の変更・修正等の動きをすることに。

またこの時、以下の様なお話もいただきました。
・JGAではこれまでに出ている規則やオフィシャルガイドによる判断しかできず、R&A/USGAにて新しい解釈を示さない限り、この内容は変更できないこと。
・正式な審査をするのであれば、R&A用具審査にヤーデージブックを提出することもできる。
ということでした。

R&A・・・ですか(汗) 

英語できないし・・・・(汗)

でも、ワンチャンあるか?

指摘を受けた秋田CCの場合、グリーンのラインを読む援助にもならないコースレイアウト図がルール不適合と判断されるのは、そもそもルール作成時の趣旨と異なる解釈がされているのではないか?

また、2019年発行時から毎年少しづつ変更が加えられており、まだまだ修正途中の規則なのではないか?

それなら、現状の解釈内ではNGだが、R&A用具審査に正式な審査をお願いしてみてもいいかもしれない。(あらたな解釈がされるかも)と考え、秋田CCの製品に関しては『R&A用具審査』に提出してみることにした。
※他7コースに関しては、状況及び競技日程等の関係もあり、即差し替え対応にしました。

Part3では、『R&A用具審査』に申請し、結果がでるまでの内容をまとめておきます。

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