(2020/7/13発行ゴルフなび夏号 編集長コラムを加筆して掲載しています)
(画像はローズランドCCのコロナ対策 兼 カップのフチ崩れ対策。各コース色々考えています)
■会社員として働いていた約30年前。社会人になってゴルフを始め、その数年後に参加した会社のゴルフコンペのことだった。年に4・5回プレーをして、スコアは100前後の腕前。まだ迷惑をかけちゃうかな?と思いながらも参加することに。当日は緊張しながらゴルフ場へ向かったのだが、到着するなり共栄会社の部長さんに呼ばれ、レストランで日本酒を飲まされた。朝から・・・ですか(汗)。昼間もビールを注がれ、レストランはプチ宴会状態。バブル崩壊後ではあったが、「ザ・日本のゴルフ」を体験した1日だった。
■それから数年後、初めてスループレーを体験する機会があった。5組で1泊2プレー。職場の気心の知れた仲間同士のコンペではあったが、値段の安さから1日目に薄暮プレーを選択。元々ハーフの昼食休憩に違和感を覚えていたので、とても快適にラウンドしたことを覚えている。ただし、その時は最終組が日没間際までプレー。最終ホールはボールも見えにくくなりながらギリギリホールアウト。その頃は神奈川在住のため近隣の高級ゴルフ場ではなく、遠方へのゴルフがほとんどだったため、帰りの時間や日没途中終了という不確実性を考えると、スループレーは選びにくかった。
■2020年の4月末。栃木県さくら市のゴルフ場・セブンハンドレッドクラブが行ったアンケート記事を読んだ。
「新型コロナウィルスが終息した後もスループレーを希望するか?」に対して、72.7%の人が希望すると回答。スループレーと通常プレーの両方利用したい人が17%となった。このアンケートはスループレーでの来場者へのアンケートなので、全ゴルファー意見とは異なると思われるが、スループレーを希望する人が相当数いる事が予想される。そもそも世界のゴルフはスループレーが主流。OUT/INの意味(Going out/Comming in)からしてもハーフ終わって昼食休憩という文化ではなかったはずだ。スループレーに満足しているゴルファー達の意見。さて、ゴルフ場側はどう判断するのか?
■ここにきて北東北のゴルフ場は通常営業に戻すところが増えてきた。このままコロナ前の状態を目指すコースがほとんどになるだろう。ただし、北東北ではコロナ前からも他のプレーヤーに影響がなければ(空き枠があれば)スループレーの受け入れをしていたコースが多く、その土壌はできている。この機会に「全日スループレーと通常営業の混合スタイル」という独自の営業形態が、北東北では可能なのでは?やってくれるコースがあるのでは?という期待も少しある。
いずれにせよ、同伴者との距離感を気にしながらプレーする今の状況はしっくりこない。なじむよりも早く、良い薬ができてほしいと願うしかない。
■後日、栃木県のセブンハンドレットクラブのWebページを確認したところ、どうやらスループレーと昼食付の混合スタイルにて営業しているようだ。素晴らしい取り組みだが、では混合にした場合の課題はというと
- 午前中の通常予約枠が減少 ※スタート枠が3時間→2時間またはワンウェイスタイルになる為 最大約50組→40組
- レストランの売り上げの減少
- レストランスタッフの適正シフト
レストランには料理人がいるのだから、レストランを営業すれば当然利用者を呼ばなければいけない。ただし、スルーが増えれば昼食利用が減る。逆に、プレー後の利用が増えるかもしれないが、殿様商売の料金や味ではゴルフ場以外を選択される可能性もある。いままでのように昼食だけオープンしていればOKという体制も変えなければいけない。課題は色々出てくる。それでも、10年後を見据えた対応とのことなので、今後も注視していきたい。
■岩手県では、雫石ゴルフ場が36ホール中18ホールをスルー専用にして7/1より営業を再開している。確実にスループレーができるゴルフ場ができたわけだが、ゴルファー達の反応はどうなるのだろう。スループレーの需要が多いのか?それとも今まで通りでいいよ・・・と、今までのゴルフ場でプレーをするのか?ゴルファー達の行動次第では、岩手県のゴルフ場運営に一石を投じてくれるかもしれない。今後も注目していきたいと思う。